2000/1/19

今朝も水中ウオークに行きました。

今日は昼前からかなりの雨が降り始めましたので、今がチャンスと11時45分に歌舞伎座前に駆けつけ、立見席券売場の列に並びました。いつもは長い列になっているのですが、さすがに雨の今日は少なく20人程が前に並んでいました。切符の発売開始は12時10分、その時までに間断無く人々が訪れ発売時には100人程の列になっていました。雨のため劇場の配慮で建物内階段に並ばせてくれました。後から並ばれた客の一組は世界的に高名な日本人指揮者夫妻でした。西洋音楽の専門家が歌舞伎の立ち見に来られたのにびっくりしました。前の幕が終わって出て来た客の数しか次ぎの幕の立見席券を売らないそうですが、この時は69名分売りますとアナウンスがあり、短い待ち時間で入場出来ました。

立見席は最上階の5階にあり文字通りの天井桟敷です。前4列は椅子席(自由席)で後ろ2列が完全な立見席、入場して一幕目は立ち見、ニ幕目は座れました。

見ることが出来たのは義経千本桜吉野山(右上看板の右から三つ目)と松浦の太鼓(同四つ目)です。前者は勘九郎が佐藤忠信、玉三郎が静御前、後者は吉右衛門が松浦鎮信、勘九郎が大高源吾、玉三郎がお縫、又五郎が其角という豪華キャストでした。歌舞伎音痴の私でも筋だけは略知っているポピュラーな出し物でしたので、多いに楽しむことが出来ました。静御前の持つ鼓の皮が狐の忠信の親狐のものであったという設定も実に愉快だし、とんぼが華やかな技(連続宙返りなど)を見せてくれるし、忠信に扮する勘九郎が紅白の司会ご苦労でしたとアドリブで自分に話かけたりして喜ばしてくれました。全山満開の桜を背景に踊る玉三郎のあでやかな舞い、さらには義太夫のリズムの素晴らしさ、歌舞伎はこんなに楽しいものかと今更のように知りました。後者の”年の瀬や水の流れと人のみ身は””あした待たるるその寶舟”の物語も見ている中に実話であって欲しいとの願望が生まれてくるから不思議です。

こんな素晴らしい娯楽を作り上げた人々、そして今日まで伝えてくれた人々に感謝の気持ち一杯で歌舞伎座を出ました。

現在歌舞伎が公演される劇場は国立劇場など幾つもありますが、立見席のあるのはこの歌舞伎座だけです。戦火で内部は丸焼けになりましたが、鉄筋の骨格は残り、戦後早く復活しました。しかしその劇場もスクラップ・アンド・ビルトの時期が迫っているそうでうすが、未だに新劇場に立見席を残すかどうか決まっていないようです。戦争中、学生であった私達は時々仲間と連れ合ってこの立見席に来ました。今日も外人さんが結構来ていて皆熱心に見ていました。遠くからこられた方にも、また学生などにもこの上なく便利安直なシステムを是非21世紀に残して欲しいものです。

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